Sunday, August 26, 2007

残暑厳しくとも晩夏の色

昨日は久しぶりに実家の畑の伸び切った夏草を草刈機で刈りました。草といってもつる性の植物がからんでいて草刈機を動かすこと自体に力が要って予想外の重動労となりました。体中、とくに両腕の筋肉に乳酸がたっぷり蓄えられた感じで力も入らずだるい。熱中症対策は、水分補給は薄めのゲータレードと水、首周りに日焼け止め、そして、大きな麦わら帽子と、こちらは万全で大丈夫でした。でも、基礎体力が落ちていることをまさに実感してしまいました。今日はひたすら休養です。

松阪から伊勢の田んぼでは稲刈りが始まっていて、コンバインや乾燥機の音が低く流れる色づいた田んぼはなつかしい。色づくといっても葉はまだ青いところが残っていて、この時期に稲刈りをするのはひとえに台風対策です。残暑は厳しいが田んぼの空気は晩夏の色が始まっています。

金曜日は三重県特別支援教育研究大会に行って来ました。私が出席した分科会の提案は教育的かつ学術的でした。現場の研修に学術的な手法がより加わることで教育界の研究方法と評価も変わってくるものと思います。学術的とは科学的検証と体系化です。校内ではなかなかこのような研修に出ることができなくて血が騒ぎました。そして思い出したのはATACカンファレンス京都2007です。参加申し込みも始まりましたが行けるでしょうか!? 今年から会場は京都市勧業館みやこめっせです。

先週の研修で脳の使い方の簡単なテストがありました。私は相当な右脳使いとの結果でした。同じグループには正反対の左脳使いとの結果の人がいて、以前から彼は私とちがうと思っていましたが今回のテストの両極端な結果に少なからず驚きました。しかし、仕事上の協力はなんら支障もありません。むしろ私は彼から学ぶ事が多い。

iTunesつながりで為末大のブログを読んでいます。今回の世界陸上はよもやの予選落ちでしたが、そのことを予感させる、そして、不調の自分自身のことをよく分かっている彼の言葉は真摯であり、ますます応援したくなりました。

今日は「ピアノの森」のサウンドトラックCDが届きました。ピアノの音が聴きやすい。アシュケナージが音楽監督と演奏を担当するに至った文脈にとても興味があります。アシュケナージの演奏は理に適いながらも斬新で素晴らしい。ところで、この映画の上映は7月21日に始まりましたが三重県では早々と8月9日が最終日でした。それほどマイナーな映画なのだろうか…

Monday, August 20, 2007

海人写真家古谷千佳子の写真

先週の土曜日、2年ぶりにミュージック・ケア全国セミナーに参加しました。3日間の初日のみの参加ですが、なつかしいみなさんとお会いすることができて、私の直接の“師匠”にも挨拶と近況報告をすることができました。会場は大阪府堺市のビッグ・アイで、初級総合研修に通って最後の日に食事をしたところです。私はこのところの疲れが出て集中力に欠けていましたが、さすがに実技のときは心身とも目覚めていました。実技はもちろん、会場の使い方や活かし方など、ちょっとしたことも勉強になります。

今夜はKORG SP200で弾く“ピアノ”をCD-Rに焼く作業をしました。手順は、Line OutからMDに録音、USBインターフェイスSoundBlaster Digital Music PXを介してMacのSound it!で録音と調整、iTunesでCD-Rに焼きました。録音レベルはどうしても低めに設定しがちなのでSound it!でゲインを3dbアップしました。曲自体は二部合唱「童謡メドレー」の伴奏でとくにどうということはないのですが、驚いたのは、KORG SP200の音のクオリティの高さです。ずっと使って来たキーボードなのにこんな音だと知りませんでした。アンプとの相性が原因なのでしょう。ファイルは最終的にAACとしました。WAVのほぼ1/10です。音質は私のシステムではちがいがわからないのでサイズは小さい方がいい。

昨夜の毎日放送制作「情熱大陸」は「海人写真家 古谷千佳子」でした。14歳のときの沖縄旅行がきっかけで15歳で沖縄に住むことを決意、大学を卒業後沖縄で海人修行をしてから東京戻って写真を学び、再び沖縄に住んで海人たちの写真を撮り続けています。その写真はダイナミックでありながら細部まで描き切っています。ネイチャーとしてもポートレイトととしても戦慄を覚えるほどです。とにかくすごいの一言です。そして、沖縄の自然のなんと豊かなこと! スローライフというが漁は決してスローライフではない。古谷千佳子の写真もそうだ。細部までこだわった絶妙の構図と仕上げだ。緊張感がある。

Wednesday, August 15, 2007

『ギルバート・グレイプ』

暑い。どうしようもなく暑い。アテンザの車外温度計は40度を超えています。仕事の生産性も冷房頼みのこの頃です。気象情報では高気圧が居座っていて台風もその周りを回っているとか。暑さがピークになってからブログの更新も滞っています。

ゆっくり本を読んでいる時間はないのですが、猛暑の中、立ち寄った古書店で見つけて吸い込まれるように読んでしまっている本があります。ピーター・ヘッジズ著、高田恵子訳『ギルバート・グレイプ』(二見書房 1994)です。この作品は映画化されて、知的障がいの少年役のレオナルド・ディカプリオが素晴らしい演技を見せています。その原作です。映画も素晴らしい出来ですが、原作はまたちがうすごさがあります。知的障がいの家族がいる家庭のたいへんさとか悲しみとか、日常をそんな言葉でとらえることを蹴散らす勢いで家族の日常を描き切っている。かといってシリアス一辺倒ではない。ユーモアもある。そうでないと押しつぶされてしまうのだが、これも生きる知恵のようなものだ。冒頭から「アーニーが死んでくれたらと思う日もあれば、そうでない日もある。いまこの瞬間は、走ってくる車のまえに彼を押しだしてやりたい気持ちでいっぱいだった。」とあって、これだけでも文脈の深さと重さが私の目を釘付けにしてしまうのだが、それが移動遊園地のトレーラーを待つ場面になんの違和感もなくすっと書き込まれている。映画も出色の出来だが原作はまたちがうすごさがある。ただ、この本が新品同様なのに古書店でわずか105円で並んでいたことが、悲しい。

しばらく古書店に行かなかったらいろいろ“入荷”していました。他に買ったのはこの3冊。ローリー・ムーア著、岩本正恵訳『アメリカの鳥たち』(新潮社 2000)、トニー・パーソンズ著、小田島恒志・小田島則子訳『ビューティフル・ボーイ』(河出書房新社 2001)、アレックス・シアラー著、金原瑞人訳『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』(求龍堂 2003) ローリー・ムーアは私と同じ年齢のアメリカの作家です。カバーのポートレートを見ると齢を重ねた存在感のある彼女がこちらを見ていて、「あなたはどうなの?」と問いかけられているようです。

PowerBookG4を使い始めて2年になろうとしていますが、なんと、「バッテリー交換プログラム」(リコール)の対象であることが判明して早速バッテーリ交換の申し込みをしました。これまで何事もなかったことも幸いしてバッテリーが新品になるのは正直なところうれしい。

Monday, August 06, 2007

料理がおもしろい

朝から勤務校で音楽療法のセッションと溜まった事務処理、午後からは休暇を取って団地の管理組合の用事と慌ただしい一日でした。管理組合の役目は今日で終わって肩の荷が下りました。法人の代表は重責でしたが、いろんな職種の方と接する機会は私にとって貴重な経験でした。コミュニティーの在り方についても深く考えさせられました。

帰宅してシェフ&キッチンドリンカーで一息です。料理はそれぞれの手順と出来上がりを合わせる見通しを考えながらするので普段使わない脳の働きがあるように思います。盛りつけやテーブルコーディネートもほんとに楽しい。料理をしていると料理に没頭してしまいます。スーパーで食材を見て回ったり、冷蔵庫を覗いたりしてメニューをあれこれ考えるのも実に楽しい。何ができるのか、これはアヴァンギャルドでもあります。同じ料理を同じレシピで作っても毎回ちがう。だからますます料理がおもしろい。

夜、日曜日のポコ・ア・ポコのご案内葉書を作りました。9月から12月の予定なので真夏から初冬までということになります。夏から冬にかけては季節の彩りがいちばん輝くときと思っています。今回のご案内に書き添えた私からのメッセージです。「映画『ピアノの森』を見て自分の音楽を奏でることの大切さとむずかしさをあらためて思いました。ポコ・ア・ポコも自分の音楽が奏でられるようにお子さまひとりひとりの参加のスタイルを大切にしてまいります。」

Sunday, August 05, 2007

県立高の入門講座

県立高の入門講座に行く機会がありました。かつて「定時制」とよばれていた高校で、今は3部制の単位制の授業が行われています。履修の仕方が生徒のニーズに合わせて柔軟に選択できるようになっています。教科の設定も生徒の幅広いニーズに対応したもので、先生方の努力に頭が下がりました。教育の最前線の息づかいを肌で感じました。

映画「ピアノの森」で一ノ瀬海がコンクールで弾くモーツァルトのピアノソナタK.310が聴きたくてサウンドトラック盤を探しましたがこの近辺では見当たりません。CDを探しながら本売り場も回ると『Mac Fan』(毎日コミュニケーションズ)9月号に気になる情報がいくつかあって購入しました。長期的に見るとYAMAHAのXGの音源モジュールがIntel MacのWindows OSでドライブできたらいちばんいいのですが、それはやってみないとわからないこと。次期MacOSX Leopardのブートキャンプの評価を待つべきでしょう。

Saturday, August 04, 2007

映画「ピアノの森」

映画「ピアノの森」を観ました。三重県では桑名でしか上映してなくて、しかも1日に1回の上映のために往復160キロというたいへんな映画鑑賞となりました。でも、その価値はありました。この夏のいちばんのエピソードかも知れません。ピアノを弾くことの基本の“き”を押さえた練習や自分の音楽を奏でることの大切さと難しさなど、“知る人ぞ知る”人にとっては自分が語っているような錯覚があることでしょう。私もその一人ですっかりはまってしまいました。私自身とオーバーラップして涙するシーンもありました。基礎練習の大切さを思い知ってよその大学の練習室に忍び込んでピアノを弾いた日々は昨日のことのように思い出します。“楽譜通り”に弾くことの価値をどう評価するのかしないのか、それが“世界”のパラダイムに委ねられるラストシーンはうまくまとめられ過ぎた観があって不満もありましたが、でも、それは仕方のないことなのでしょう。理に適った演奏も様々な在り様がある。そんな思索に耽る映画「ピアノの森」はもっともっと観てほしいのです。三重県での上映が1館だけ、しかも1日に1回の上映は本県の文化水準を現しているのだろうか。残念でなりません。

Friday, August 03, 2007

『バッテリー』

昨日今日と音楽療法のスポットのセッションをしました。初めてのお子さんが多いので音楽遊びのようなゆるやかな枠組みとしましたが、1時間以上、みなさんよく集中してくれました。ポコ・ア・ポコに来てくれているお子さんが目を輝かせながら参加してくれていたことも印象的でした。

今日は午後から新しくできた障がい者の施設の見学に行きました。50室だから規模としては中くらいだろうか。街中から離れた山の中に建つリゾートホテル風の建物は立派で眺望もいい。すでに満室でニーズは高い。必要な施設だ。同時に、あるべき姿ではないとも思う。

水曜日のNHKの「クローズアップ現代」であさのあつこ著『バッテリー』を取り上げていて興味深く観ました。20代から40代の女性にたいへんな人気とのこと。本気になれない、本気になるものがない、かつて本気で取り組んだのに諦めた、そんな自分に気づかされたとのこと。本気になれないのは何も怠けているばかりではない。焦っていても本気になれないこともある。慌ただしい毎日を過ごして仕事もきちんとこなしていても本気でないこともある。そんな自分に気づいた人たちが本気の自分を探し出すことってすごく大事に思える。著者は“主婦”でそんな自分に気づいて『バッテリー』を書いたとのことだ。