Saturday, October 07, 2006

C7というピアノ

この夏、ヤマハのグランドピアノC7を弾く機会がありました。「翼をください」の伴奏です。茨城県つくば市の独立行政法人教員研修センターで、研修最終日の前夜のお別れパーティーで弾きました。その前の日、練習をするためにピアノの蓋を開けるとC7でした。ずいぶん疲れたピアノでしたが、鍵盤のタッチと音は紛れもなくC7でした。地方にいてもC7はときどき出会うピアノで私はとても親近感があります。ここでC7を弾くのかと思うとほっとしました。

かつて、ヤマハでは型番のCFがフルコンサートでC7はセミコンサートという位置づけでした。ピアノの資質は全く別物ですが、家庭で弾けるグランドピアノとしては最大クラスでそれなりのスケールの大きな演奏ができます。そして、私が弾けるピアノとしても最大です。フルコンサートを弾くにはテクニックはもちろんですが指の力が要ります。私にはテクニック以前のフルコンサートを弾くための力がありません。ここもC7に親近感を覚えるところです。

これまでに出合ったC7でベストコンディションといえるピアノは1台しかありません。ピアノの先生宅だからそれもそうでしょう。他のC7は弾かれに弾かれて疲れ切っていました。教員研修センターのC7もそうでした。でも、C7の資質は失われてはいませんでした。軽くなった鍵盤をしっかり奥まで押さえるように弾くと眠っていた音がよみがえります。歌と何回も合わせていくうちにひとつひとつの音と音とが響き合うようになってきます。長い弦だからこそ持てる力もあり、弾き手のコントロールにも応えてくれます。C7の音は今となっては旧さを感じさせますが、私にとっては身近な音で弾きやすいピアノです。

8月30日、お別れパーティーでC7はほんとによく奏でてくれました。

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