Sunday, April 08, 2007

ポリーニのショパン

学校は新学期を迎えています。私も高校の入学式に出席する機会がありました。1000人を超える新入生と保護者、学校関係者が水を打ったようにひとつのことに集中する空間は圧巻でした。生徒が教室に移動したあとの保護者向けの説明は進路に的を絞ったもので、進路の実績がものをいう高校の厳しさを反映していました。高校は生徒が集まらなければ学校そのものがなくなります。少子化が加速化する今、高校はピンチといえますが、ピンチこそチャンスと果敢に挑む高校は活気にあふれています。京都大学桂キャンパスと見紛う新校舎に見とれてしまいました。

今日は新学期の準備で朝から休日出勤でした。鈴鹿スカイラインに続く道はバイクが連なっていました。こんな暖かい春の日、いいなぁ…と横目ならぬ真正面からまじまじと見つめながら勤務先に向かいました。ライダーたちはみな私よりも年上と見ました。自転車のロードレーサーで走っている人もおじさんばかりでした。私も元気をもらいました。

帰りに寄るクリーニング店の仕上がりまで少し時間があったのでパソコンの専門店で小一時間つぶしました。今更のWindowsと思いながらも自作パーツを見ると血が騒ぎます。コンピュータは不思議な存在です。

金曜日の夜、ショパンのピアノが聴きたくなりました。ポリーニが弾くエチュードを探したけどなくて、iTunes Storeで探して購入しました。すごくなつかしい演奏です。高度成長期、バブルの前、あの頃のひたむきさが伝わってきます。その後は、情熱的とされながらも理性的と思える演奏になってきたように思います。エチュードといえば原口統三の『二十歳のエチュード』、二十歳といえば高野悦子の『二十歳の原点』であり、その頃といえば樺美智子であり、彼女の遺稿『人知れず微笑まん』を読んだ頃の自分を思い出します。でも、その頃、彼らはすでに同時代ではありませんでした。ビートルズにも学生運動にも乗り遅れ、且つ、新人類にもなれないのが私の世代です。ポリーニのショパンはそんな私がアイデンティティーを投影してしまいます。

No comments: