Monday, January 08, 2007

散文

この休みに部屋で仕事の資料をいくつか探していて、そんなときは往々にしてちょっと気になる見つけものをしてしまいます。今回はライカの本です。いつの間にかライカの本が10冊余も集まっていて、パラパラと見出すと止まらない。ムックで記憶に残る写真を見ているうちに活字を追いたくなりました。神立尚紀『撮るライカ』(光人社 2004)はサブタイトルが「アンチライカマニアのライカ讃歌」で、報道の第一線でライカをメインカメラとして使っている著者が昨今のライカブームに真っ向からアンチテーゼを叩き付けています。使ってなんぼのライカというわけです。見せるべきはライカというカメラではなくライカで撮った写真とは然り!

探していたものは私が師と仰ぐ療育の専門家のWISCⅢの解析レポートです。発達検査は子どもの発達を一次的に数値で表しますが、それだけでは生活場面での支援に活かすことはできません。二次的に、散文として言葉で表すことが求められます。心に響く言葉でしか人は動かないのです。その解析レポートはA4で1枚です。わずか1枚のペーパーですが、親も家族も学校の先生もそこに腑に落ちる言葉を見つけるのです。言葉、語り、ナラティブ、今、こうした散文の力が見直されてきています。教育も音楽療法も、narrative based、質的評価に基づく在り様への模索をしていくときが来ているのではないでしょうか。

No comments: