Saturday, January 27, 2007

『薬指の標本』

このところ少なからず悩ましいのはフランクリン・コヴィーのサイズです。クラシックサイズを2年使ってきて、バインダーのリング径とリフィルの厚さに起因する手持ちの情報量の限界を感じてコンパクトサイズへの転向を考えています。すぐ売り切れる薄い紙質のユニバーサルの4月始まりのリフィルはとりあえず確保したものの、クラシックサイズの懐の深さと2年間使い込んだイタリアンカーフの手触りは手放しが難い。クラシックサイズの4cmリングがあったらそれで決まり!なのに、とつくづく思います。コンピュータのモニタもそうだけど、視野の絶対サイズは思考を規制する。何をどうみるかということにおける物理的条件によってコンテンツとの関係性もちがってくる、という仮説です。長期間“long term”のリフィルを携帯することで四次元のとらえもちがってきます。

小川洋子著『薬指の標本』もただならぬ一冊です。記憶の断片が次々とつながり始めました。なつかしいいくつかのシーンと音楽… 昨年の夏、音楽療法の勉強に行った東京、築地、聖路加病院…その近くのコーヒーショップとそこで出会った人たちのことが、また、思い出されます。いつか、同じ曜日の同じ時刻に行きたい。『薬指の標本』の人たちと出会えそうだから。

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